Direct Ex Plate用プレートホルダー
今回,金型を起し,並進ストークが十分にないゴニオでも,端から端までのウェルにX線を照射出来るプレートホルダを製作してみました.以下がその写真です.
そのためプレートを「斜め」に保持するようにしたので,影にならないで照射出来る範囲は,およそ60度(±30度)となりましたが,成長した条件でのそもそもの結晶の分解能,モザイク性や格子定数を評価するには,まあこれでなんとかなるかなと思います.
R-AXISでの使用
R-AXISを通常はクライオ測定に使用していると思います.このホルダーは,そのための磁石に直接乗せることが出来ます.
PFの水平方向のゴニオでも大丈夫なことは確認しました.ただ,クライオノズルをちょっと退けてもらう必要があります.
測定例1
結晶化ドロップに直接X線を照射し,結晶の「そのまま」の状態での回折パタンを得ることが出来,分解能や,空間群,そしてモザイク性も確認出来ます.この情報を確認しておけば,良い反射データが得られないのが,そもそも結晶が悪いのか,凍結操作によるのかどうかも簡単に分ります.(結晶協力:名大理:河野慎さん)
測定例2
下の写真のように結晶が単独(少なくとも隣の結晶と離れていれば)であれば振動写真を撮影し,データセットを収集することも可能です.
「斜め」にしてしまったので,回転可能な範囲がちょっと犠牲になりましたが,約60度範囲で振動写真を撮影することが出来ます.
化合物との共結晶の測定を行い,化合物がちゃんと結合しているかを迅速にスクリーニングすることも可能です.(結晶協力:名大工:永江峰幸さん)
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