さて,準備が整ったら精密化を実行する.
ccp4i が標準で使用するスクリプトは,X線データに対 するウェイトが 0.5 になっており,低分解能のデータの場合少し高すぎるかも 知れない.精密化後の構造が歪む場合, Required Parametersの Diagonal weighting term 0.5 を例えば 0.l とかにする.
とりあえず,精密化がうまく行っているかどうかを View Files from Job, ViewLog Graphs で確認してみる.Rfactor analysis, stats vs cycle の例を図2に示す.
その他にも,FOM vs cycle,Geometry vs cycle や Rfactor analysis, F distribution v resln をチェックする.ある程度精密化が進んだら,XtalView 等でフーリエマップを描いて構造をチェッ クする. Generate weighted difference maps in CCP4 format をチェッ クしておけば以下の 2種類のマップを作成してくれる.
例えば,側鎖に 2つのコンフォーマが在るような場合,図 4のように ***DELFWT.map を見れば分る. 図は Thr67 付近の電子密度図とモデル.モデルの側鎖と違う方向に DELFWT map のピークが存在する.
なお,XtalView の使い方は SolveResolve のマニュアルに書いたので,そ ちらを参照して下さい. http://castor.sci.hokudai.ac.jp/~watanabe/Manuals/solve-resolve/index.html
自分で別途マップを描きたい場合は refmac5 の出力する ****_refmac*.mtz
を使えば良い.
H K L FNAT SIGFNAT FreeR_flag FC PHIC FWT PHWT DELFWT PHDELWT FOM
の
FC,PHIC:最終構造からの構造因子と位相
FWT, PHWT:'best' structure factors and phases weighted by the maximum
likelihood function
DELFWT, PHDELWT:the 'best' structure factors and phases for a
difference map
FOM:PHIC の figure of merit
である.
さらに,ARP/wARP で,水を拾うことも自動で実行することが出来る.その場合 は Cycle with ARPwARP to analyse only water atomsとして ARPwARP Parameters の所で Find 50 new atoms in density...とかに する.sigma の閾値は空欄として自動設定させれば良い.