BL2S1 - 単結晶X線回折・名古屋大学ビームライン
ビームライン概要
大面積の二次元検出器による単結晶の X 線回折測定により, タンパク質や機能性有機分子などの結晶構造解析を行う. 詳細は下記リファレンスを参照して下さい.
研究利用分野
タンパク質や機能性有機分子などの結晶構造解析.
ビームライン性能
- 光エネルギー
- 7 - 17 keV (0.18 - 0.07 nm)
- ビームサイズ(実測)
- 0.18 × 0.19 mm (H x V)
- 分解能 (E/ΔE)
- > 2000 @ 12keV
- 光子数 (Photons/sec, 実測, 0.2Φピンホール使用)
-
4.6 x 10 9 @ 0.75 Å
1.1 x 10 10 @ 1.12 Å
8.3 x 10 9 @ 1.80 Å
測定装置仕様,特徴
- 検出器
- 大面積の二次元検出器 (ADSC Q315r またはPILATUS 1M)による 単結晶の X 線回折測定により,タンパク質や機能性有機分子などの 結晶構造解析が可能です.
- 回折装置
- 水平分散の非対称結晶分光器のビームラインですが, 回折装置は 2 θ 光学台上に設置され, 2 θ の回転範囲は 12.5 - 33.5 度です. 複数の分光結晶を交換して使用することで広い エネルギー(波長)範囲を使用することが出来ます.
- カメラ長
- カメラ長(試料結晶:検出器距離)は 90 - 340 mmで可変です.
- 試料結晶ゴニオ
- 試料結晶ゴニオは XYZ ステージ付き高精度高速回転軸ゴニオで, 通常の先端部は凍結タンパク質結晶用のクライオピンがそのまま 磁石でマウント出来る標準的な構造ですが, 特殊な先端部と交換することでさまざまな試料結晶や 小型のダイヤモンドアンビルセル(DAC)にも対応しています.
- サンプルホルダー
- 18 mm のCrystalCapを磁石でマウント. BL2S1では copper タイプを推奨します. Copper 軸でない場合,長時間露光では霜が育つ場合があります.
- 試料冷却装置
-
凍結結晶用のコールド窒素ガス
吹きつけ型冷却装置を保有しています.
回折計が 2 θ ステージに搭載されているため, 凍結試料結晶の自動交換ロボットの導入予定はありません.
ビームライン及び測定装置概略図
学術利用について
ビームラインのリファレンス
- Watanabe, N., Nagae, T., Yamada, Y., Tomita, A., Matsugaki, N. & Tabuchi, M.
"Protein crystallography beamline BL2S1 at the Aichi synchrotron"
J. Synchrotron Rad. 24, 338-343 (2017).
ユーザーの論文
-
S. Hitosugi, S. Sato, T. Matsuno, T. Koretsune, R. Arita, & H. Isobe.
"Pentagon-Embedded Cycloarylene Molecules with Cylindrical Shapes”
Angew. Chem. Int. Ed., 56, 9106-9110 (2017). -
Niwa, K., Matuzaki, F., & Hasegawa, M.
"Synthesis, crystal structure and phase transition of a Xe-N2 compound under high pressure: Experimental indication of orbital interaction between xenon and nitrogen"
Phys. Chem. Chem. Phys., 19, 59-63 (2017). -
Wachino, J., Yamaguchi, Y., Mori, S., Jin,W., Kimura, K., Kurosaki, H., & Arakawa, Y.
"Structural Insights into Recognition of Hydrolyzed Carbapenems and Inhibitors by Subclass B3 Metallo-beta-Lactamase SMB-1"
Antimicrob. Agents Chemother., 60, 4274-4282 (2016).